
2025年夏、プレミアリーグのブライトンは、戦力の再構築とクラブ哲学の継承を同時に進めている。そんな中、日本代表MF三苫薫の去就と、元イングランド代表ジェームズ・ミルナーの背番号変更が話題となっている。
ミルナーが背番号20に変更、ジョッタへの敬意
7月下旬、クラブはベテランMFジェームズ・ミルナーの背番号を「6」から「20」へ変更することを発表した。これは、昨シーズンを最後に引退したスティーヴン・ジョッタ氏への敬意とされる。
ミルナーは現在39歳。20年以上プレミアリーグの第一線で活躍してきた鉄人であり、若手の手本ともなる存在だ。その彼があえて背番号を変えるという行動は、古巣に対して強い帰属意識と「伝統を受け継ぐ者」としての誇りを持っていることを示している。
ブライトンというクラブが、ベテランの存在とクラブの歴史を重んじる姿勢を打ち出している点は、単なる数字の変更以上の意味を持つ。
三苫薫、移籍の噂は下火に?残留の可能性高まる
一方、日本代表の三苫薫に関しては、今夏も欧州のビッグクラブ移籍の噂が絶えなかった。しかし、7月下旬現在、その動きは大きな進展を見せていない。むしろ、ミルナーのようなベテランの“クラブ愛”や、「ジョッタの精神」をクラブ全体が尊重するムードが広がる中で、三苫もその一部としてチームに留まる可能性が高くなってきている。
三苫自身、昨シーズン中は負傷が相次ぎながらも高いパフォーマンスを維持し、リーグ戦では6ゴールを挙げた。その実力と戦術理解度は、ブライトンにとって代えの利かない存在である。
移籍マーケットの現状とブライトンの戦略
ブライトンは近年、若手育成と売却益によってクラブを成長させてきた。「売っては育てる」循環型ビジネスモデルが注目されているが、同時に「残すべき選手は残す」という選択も始めているように見える。
事実、ミルナーのような選手に敬意を払い、象徴的な背番号「20」を与える姿勢は、クラブの「選手を単なる商品として扱わない」というメッセージだ。その中に三苫も含まれているとするならば、今後数年にわたって彼を中核とするチーム作りが進められる可能性は高い。
三苫にとっての「ブライトン残留」の価値
もちろん、選手としてのキャリアを考えれば、ビッグクラブ移籍は魅力的だ。しかし、ブライトンは今や欧州カップ出場を狙えるチームにまで成長しており、ここで主役として活躍し続けることも大きな価値がある。
特に、日本人選手がプレミアリーグで「継続的に成功する」というモデルを確立することは、日本サッカー全体への好影響をもたらす。香川真司や南野拓実が経験したように、「移籍=成功」とは限らない現実がある中、三苫の「残留して活躍」という選択肢は極めて戦略的でもある。
まとめ:ブライトンの未来と三苫の決断
ミルナーの背番号変更は一見小さなニュースだが、クラブの哲学やチーム文化の方向性を示す重要なサインである。それに呼応するように、三苫の残留報道が優勢になっている現状は、ブライトンというクラブの「信頼できる未来」を象徴しているとも言える。
今シーズン、三苫薫がチームの中核としてさらなる活躍を見せるか。ミルナーのように、ピッチ内外でクラブの象徴となるか。プレミアリーグ2025シーズンのブライトンから目が離せない。

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