
2025年夏、アーセナルが大胆な補強に踏み切った。チェルシー所属のウインガー、ノニ・マドゥエケ(22歳)を、移籍金6000万ポンド(約100億円)で獲得したと英メディアが一斉に報じている。マドゥエケは昨季、チェルシーで公式戦33試合に出場し6ゴール4アシストを記録。トリッキーなドリブルと高い推進力を武器に評価を上げていた。
アーセナルはここ数年、プレミア制覇にあと一歩届かないシーズンが続いており、さらなる得点力と層の厚みが必要とされていた。だが、右ウイングには絶対的な存在、ブカヨ・サカが君臨している。マドゥエケの加入はどのような意味を持つのか、そして彼は果たして「主力」になれるのか?この記事ではその可能性とアーセナルにおける未来を探っていく。
🔴 サカの控え、それとも共存?マドゥエケの起用法を予測
現在のアーセナルでは、4-3-3の右ウイングにはサカが固定されており、左にはマルティネッリやトロサールがローテーションしている。マドゥエケは基本的には右ウイングを主戦場とするため、サカとのポジション争いは必至だ。
予想されるのは以下の3パターン:
- ① サカのローテーション要員: サカは毎シーズン60試合前後をこなす酷使状態。マドゥエケが第2の右ウイングとして、CLやカップ戦、リーグの中盤戦で先発機会を得る形。
- ② 左ウイング起用:マドゥエケは本職ではないが、左でもプレー可能。マルティネッリと競わせ、両ウイングのローテーション強化を図る。
- ③ 4-2-3-1の2列目起用:インサイドに入り込み、攻撃的なトップ下や右ハーフスペースでのプレーも視野。技術力が高いため、狭い局面での突破にも期待。
ただ、サカの不動の地位を考えると、現実的には「2番手」からのスタートになるだろう。だが、それでも出場機会は十分にあり、ここからどこまで食い込めるかが勝負の分かれ目だ。
⚽ トップクラブで生き残れるか?
マドゥエケの課題は、安定感と守備面の貢献だ。爆発力は申し分ないが、90分通して試合に絡み続けるタイプではなく、守備意識にもムラがある。アルテタ監督のスタイルでは、攻守の切り替えやプレスの強度が求められるため、戦術理解度の向上が鍵となる。
一方で、アルテタは若手の成長を促すことで知られており、サカ、ウーデゴール、ホワイトらも彼の指導で飛躍を遂げた。マドゥエケも、今後2〜3年で主力に育てるプロジェクトの一環と見ることもできる。
🔁 チェルシーからアーセナルへの移籍というインパクト
ロンドンのライバル同士ということもあり、この移籍は単なる補強にとどまらない心理戦の様相もある。かつてアシュリー・コールの移籍で遺恨を生んだ歴史がある両クラブ間で、若手スターの直接移籍はインパクトが大きい。
チェルシーは今夏、多くの選手を放出し世代交代に踏み切っており、マドゥエケの売却もその一環。だが、アーセナルが「サカの控え」に100億円を出したという事実は、それだけタイトルへの本気度が高いことの証明だ。
📈 筆者の予想:今季は控え、来季以降は鍵を握る存在に
筆者としては、マドゥエケは今季はリーグ戦15〜20試合に出場し、途中出場が中心と予想する。だが、CLやFAカップなどの舞台ではスタメンも期待でき、そこで数字を残せば来季以降に台頭する可能性は大いにある。
ライバルはサカだけでなく、復調著しいトロサールや新加入候補の左ウイングも含めて熾烈なポジション争いが待ち受けている。だが、それこそがビッグクラブにおける成長の舞台。マドゥエケにとって、アーセナルは飛躍への本気のチャンスだ。
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